津波被災地域における災害廃棄物中の
トランス等の電気機器について (実務担当者用)

<第2版 平成 23 年 5 月 31 日>

今回の地震による津波被災地域で発生した災害廃棄物の中に、トランス(変圧器)、コン デンサ等の電気機器が混入している場合がある(電気機器の例は添付資料1参照)。

これら電気機器のうち、過去のある特定の時期(主に昭和 30 年頃から昭和 40 年代)に 製造された一部の電気機器には、PCBを絶縁材料として使用したもの(以下「PCB使用機器」という。)がある。
PCB使用機器は、高濃度のPCB(トランス(変圧器)で 60%程度、コン デンサで 100%)が使用されていることから、PCBの飛散、流出等を防止する観点から、他 の廃棄物と異なる特別な管理が必要となる。

津波被災地域において、災害廃棄物の中にトランス(変圧器)、コンデンサ等の電気機器 が確認された場合には、以下の1.~3.にしたがって対応する。 災害廃棄物中の電気機器及びPCB廃棄物の取扱いについては、必要に応じて適宜、 管轄自治体に相談する(問い合わせ先は添付資料2参照)。

1.PCB使用機器か否かの判別
○製造時期が昭和 50 年以降の国産の機器は、PCB使用機器ではないと判断してよい。
○製造時期が昭和 49 年までの機器は、電気機器に打刻されている銘板記載内容(製造年、 機種名、メーカー名、型式、製造番号)及び製造メーカーへの問い合わせなどにより、PC B使用機器か否かを判別する(機器種類別製造メーカー別の判別表は添付資料3、各製 造メーカーの問い合わせ先情報は添付資料4参照)。
○電柱に取り付けられている柱上トランス(柱上変圧器)は、製造時期に関係なく、PCB使 用機器ではない。
○PCB使用機器か否かが不明の機器については、念のためにPCB使用機器とみなして 取り扱う。

2.PCB使用機器の取扱い等
(1)状態(破損・漏れ)の確認 ○当該電気機器が破損していないか、機器中の絶縁油が漏れていないか等を確認する。
○破損・漏れがない場合はPCBが飛散・流出することはなく特段問題ないが、破損・漏れ が見られる場合は、機器を素手等で触れず近づかないようにするとともに、ビニールシー トで覆うなどにより周辺への飛散・流出を防止する。
(補足)破損・漏れのあった場合の応急措置については、別紙「トランス等の電気機器が 破損・漏洩等をしている場合の応急措置の方法について」を参照のこと。

(2)他の廃棄物との分別・移動
○PCB使用機器については、他の廃棄物と一緒に取り扱わずに分別する。
○被災した工場や大型の建物内に、PCB使用機器が存在する可能性があるため、がれき 等の撤去や処理を行う場合は、可能な限り事前に、工場所有者等にトランス等の電気機 器の有無について確認する。
○がれき中に、PCBを含むトランス等の電気機器が混入している可能性があるため、災害 廃棄物に含まれていた鉄くず等の破砕等を行う場合には、トランス等の電気機器を破砕 しないように十分留意する。
○破損・漏れのある機器については、移動時に絶縁油が周辺に漏れるおそれが高いため、 密閉性のある容器に収納する、防水性のビニールシート等で機器全体を包装するなど、 漏洩防止措置を講じた上で移動させる。

(3)自治体への情報提供
○PCB使用機器である場合は、管轄自治体(問い合わせ先は添付資料2参照)に連絡し、 当該機器に関する基礎情報(現在の存在場所、大きさ・台数、状態(破損や漏れの有無)、 銘板記載内容(製造年、機種名、メーカー名、型式、製造番号)など)について可能な範 囲で情報提供する。特に、破損や漏れがあるPCB使用機器については、移動させずに 自治体への連絡を速やかに行う。

(4)保管場所での保管
○保管場所にはPCB廃棄物の保管場所である旨表示する。
○PCB廃棄物は屋根のある建物内で保管するか、屋内の保管場所の確保ができない場 合は、密閉性のある容器に収納する、防水性のビニールシートで全体を覆う(底面を含 む)など、風雨にさらされず、PCB廃棄物が飛散、流出、地下浸透、腐食しないよう必要 な漏洩防止措置を講じる。
○海水に浸水した機器については、腐食を防ぐため、機器を拭って付着した塩分を除去する。可能な場合は、水で洗浄するといった対応をとることが望ましい(ただし、破損・漏洩している機器を除く)。
○PCB廃棄物に他の廃棄物などが混入するおそれのないよう、仕切りを設ける、離れて保管するなどの措置を講じる。
○保管場所では、暖房などの発熱機器から十分離すなど、PCB廃棄物が高温にさらされ ないための措置を講じる。
○地震等によりPCB廃棄物やその収納容器が落下、転倒などしないような措置を講じる。

(補足)
・ 屋内の保管場所の確保ができない場合は、コンテナやテント倉庫を活用することも検討する。
・ PCB廃棄物の飛散、流出、地下浸透防止にあたっては、上記のほか、ドラム缶に収 納する、オイルパンを設置するといった方法もあるので、個別の状況に応じた措置を 検討する。

3.PCB使用機器以外の電気機器の取扱い等
○昭和 50 年以降に製造された電気機器や昭和 49 年以前に製造されたPCB使用機器以 外の電気機器の中には、微量のPCBが絶縁油に含まれている場合がある(以下「微量 PCB機器」という)。
○電気機器が微量PCB機器か否かを確認するためには、絶縁油中のPCB濃度を測定す る必要があるが、微量PCB機器は含有PCB量がごくわずか(PCB濃度は数 mg/kg から 数十 mg/kg 程度で、PCB使用機器と比べて数万分の1から数十万分の1程度)であり、 人の健康や周辺環境への影響は小さいと考えられる。
○このため、津波被災地域における災害廃棄物の中のPCB使用機器以外の電気機器に ついては、至急の対応は必ずしも必要ではなく、他の廃棄物やPCB使用機器とは別にし て当面保管しておき、時期を見てPCB濃度測定などの対応を行うことで差し支えない。
○なお、破損・漏れが見られる場合は、念のためにビニールシートで覆うなどの措置を行う ことが望ましい。